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ニット生地の地直しについて

ニット生地の地直しは必要か?

私もどのように書くべきか若干の迷いが生じ、ネットで検索していろいろな記事を読みあさりました。やはり想像通り必ず地直しをするよう記載されているところがほとんどでした。生地屋をする以上、やはりそう書くべきなのかもしれません…。が、正直にいいます。私は地直しをしていません。賛否両論あると思いますがここから先は私自身の経験から至った結論を書かせていただきますね。(あくまで私が個人的にソーイングを楽しんできた経験で至った結論です。)

化繊はさておき、綿や麻などの自然素材の生地はお洗濯により確かに縮みます。(編み方、編みの密度などでも縮み具合や歪み具合が違ってきます)よくある、ご家庭の洗濯事情により変えるという方法も確かに良いでしょう。いつも乾燥機を使うご家庭では生地を洗濯乾燥させてから縫製する、という方法です。

                               

私も過去いろいろなことを試しました。よく縮みそうなキルティングを洗濯、乾燥機までかけて十分に縮ませてからスウェット上下を作ったのですが、我が家は基本的にはつるし干しでたまに乾燥機を使うだけ。すると、一旦縮んでいた生地が吊るし干しをするうちに濡れたキルティングの重みでまた伸びてしまい裾丈が長くなってしまったのです。スウェットをわざわざ平干しにはしませんよね…。洗濯の度に毎回乾燥機をかけるならこの方法でも問題なかったのでしょう…。(プリント生地は毎回乾燥機ぐるぐる…というわけにはいきませんが・・・。 ) 

                    

さらに、生地は1回水通ししたら縮みきるわけではありません。つまり厳密に言えば一度の水通しでは不十分なのです。初めの数回は洗濯する度に少しずつ縮みます。洗濯で縮んで、干して少し伸びて…を繰り返して最終落ち着くところで落ち着きます。

                             

また、ニット生地は布帛よりも生地幅があります。160cm幅の生地を1〜2m水通しして平干しできるスペースがうちにはありません。(伸縮性のあるニット生地を竿にかけて干してしまうと水に濡れた生地の重みで部分的にテンションがかかって伸びてしまい地直しの意味がありません)

以上のような諸々の理由で、費用対効果ならぬ手間対効果を考えて、私は地直しは非現実的だという結論に至りました。

縮み具合の参考までに、私の過去の経験から言いますと、布帛である綿Wガーゼ生地で大人のTシャツを作って数回洗濯すると、大体縦にも横にも1cm程度縮みます。縦横の縮率が同程度なので大きめの型紙を使用する等で対応しやすいです。これに対して和ニットの40スムースニットは縦方向へは横方向への約2倍程度縮みます。(詳しくは水通し実験データのページをご参照ください)多少縦横のバランスが変わっても支障のないデザインのものは大丈夫ですが、丈が変わると困る場合など、例えばトップスの袖丈見頃丈、ボトムの裾丈などは要注意です。私は水通ししないので丈(縦)方向に限り、子供用は2〜3cm、大人用は5〜6cm長めに裁断します。縫製は仕上げの一歩手前まで、つまり袖口や裾はほつれないように生地端の処理だけして一旦終了。そして数回洗濯します。(毎日の洗濯物と一緒に洗濯機に放り込む→干す を2、3回繰り返す。)そして本人試着の上、丈合わせをしてから仕上げます。(この方がめんどくさいやん!という方にはすみません!)

                           

子供のレギンスやパジャマなどあまり細かく丈を気にしなくていいものは水通し無しの裁断、縫製でいっきに仕上げます。縮みを考慮して、例えば125cmの子供には120の型紙ではなく130の型紙を使うようにはしています。(大きめ型紙を使用してもトップスの場合は丈が縮んできた時にお腹や背中が出たりするので2着目からは調整したりしています。)

なぜこうまでして水通しを避けようとするのでしょう…(笑)それはめんどくさがりなのもありますが、生地が届いた時のあの気持ちを大切にしたいからです。水につけて平干ししてアイロンを当てて…という水通しの手間で手作りのハードルを上げてしまうくらいなら、生地が届いて「作りたい!」というテンションが上がったまま、すぐ裁断、縫製して、まずは1着目を作ってみる方がいいと思っています。

          

                  

何年も何着も服を作ってきて思いますが、使う型紙と生地により仕上がりは本当に様々で、1着目から自分の体型にぴったり合うものはそうそうありません。まずは1着縫ってみましょう。1着縫うとその型紙のサイズ感もわかります。そして、次は生地をガラッと変えてみたり、袖を少し長めにしようかな〜、裾を少し短くしようかな〜、腰を少し細くしてみようかな〜とアレンジして、市販の型紙をひとつずつ自分専用(または家族専用)の型紙に作り上げていくのも手作りの醍醐味かなと思います。

 

以上はあくまでご自宅で楽しむソーイングの場合です。

作った作品を販売される場合は、水通しをする、もしくは1着作って縮み具合を確認してから型紙に対して裁断ラインの調整(ここはプラス1cm、ここはプラス2cm等を型紙に書き込む)をおすすめします。ワンちゃんのお洋服など用尺が小さい場合は水通しもそこまで大変ではないと思います!

また、プリント生地(和柄ニット)については一般的なプリント生地と同様に扱ってくださいませ。高温のアイロンを直接あてたり、長時間濡れたまま放置されますと、色落ち・色移りの原因となります。乾燥機の使用もプリント劣化の原因となりますのでお避けくださいませ。

 

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